お母さんの声

2001年度、2003年度の2人の卒園児のお母さんの声

上の子が入園予定の前年の秋、今のようにまずネットで調べるのが一般的でなかったころ、パンフレットをもらいに幼稚園をあちこち訪ね歩いていました。当時まだオムツが取れていなかった上の子が心配で、2つの幼稚園で質問してみました。ある幼稚園では「言ってくれたらこちらで対処しますよ。」堺金岡幼稚園では「オムツでくる子もいるんですよ。」子どものありのままを受け入れてくれ、子どもを幼稚園に合わせる必要はないのですよ、と言ってくれているようでした。育児に少し神経質になっていた私にとって、どれほど気持ちが楽になったことでしょうか。これが決め手でした。

いよいよ入園式。甘えたで私から離れるのが嫌で泣き叫ぶ上の子を、一人の先生がずっと抱っこしてくれました。子どもも、温かく抱いてくれる先生の腕の中で、式の間は泣かずに頑張っていました。しばらくは登園時に泣くだろうと思っていたのですが、驚いたことに翌日から自分から自分の部屋に入っていくことができました。自分にとって安心できる場所だと知ったのでしょう。

毎日送り迎えをするので、毎日のように先生と懇談できました。日々のエピソードを伺ったり、育児の悩みを聞いていただいたり。担任の先生のみならず、すべての先生が、一人ひとりの子どもと親までも気にかけてくださっていました。

毎日の礼拝の時間には、食べ物を感謝し、またお休みしているお友達を心遣い名前を挙げてお祈りします。

幼稚園と保護者が一緒に育児をし、また一緒に行事をおこなっていく。そんな共同作業の中で、育児はもちろん、親としても育てていただいたように思います。ありのままを受け入れ、今を大切にし、成長を見守って信じて待つことの大切さ。そこに流れていた先生方の優しさ、慈しみ、温和さ、寛容さ・・その根底に流れていたのは永遠に変わることのない神さまの愛だと、後に知ることになりました。

入園式で大泣きした上の子と、入園前から(お迎え時に)園庭でおもいっきり泥んこ遊びをさせていただいた下の子、二人ともそれぞれのびのびとマイペースながらも、言うべき事ははっきり言い、やさしい子に育っているようです。

通園バスも給食も時間割も、体操・英語・絵画などのクラスもない幼稚園ですが、学校では学べない、幼児期にこそ築いておくべき見えない土台の部分、一人ひとりがそれぞれ個性的でとっても大切なんだよ、ということを親子共々体感し学ばせていただいたことを、今でも感謝しております。